日本からの入国制限は見送りも継続して注視、保健省長官

(フィリピン)

マニラ発

2020年03月09日

フィリピン保健省(DOH)のフランシスコ・デュケ長官は3月4日、日本からの入国および日本への渡航制限は現段階では考えていないとの見解を示した。3月4日付でフィリピン国営通信など地元各メディアが報じた。

デュケ長官は、入国・渡航制限を発動する基準に従って検討した結果、日本とイラン、シンガポール、イタリアの4カ国のリスクは「中程度」で、現時点では制限をかける段階ではないとした。ただし、各国の感染拡大の状況は常時モニタリングしており、状況によっては制限の対象国に含める可能性があるとした。

デュケ長官は入国・渡航制限を発動する基準について、(1)海外からの感染者を除く国内居住者同士での感染拡大の状況、(2)国内感染者の人数、(3)フィリピンへの観光客数、(4)検査態勢などフィリピン政府のキャパシティーの4点を考慮し、制限の発動を決定するとした。

フィリピン政府の入国制限(3月5日時点)の内容は、永住ビザ所有者、フィリピン人の外国人配偶者または子供、外交ビザの保有者以外の外国人が過去14日以内に中国や香港、マカオ、韓国・大邱市と慶尚北道清道郡に滞在歴のある場合は、入国と乗り継ぎを禁止。一方、過去14日以内に中国、香港、マカオ、大邱市と慶尚北道清道郡に滞在歴のある永住ビザ所有者、フィリピン人の外国人配偶者または子供、外交ビザの保有者の外国人は14日間の検疫を条件として入国が認められる。

(坂田和仁)

(フィリピン)

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