マレーシアの新型コロナウイルス感染者は50人に、展示会やイベントの延期も

(マレーシア)

クアラルンプール発

2020年03月05日

マレーシア保健省は3月4日、マレーシア国内における新型コロナウイルス感染者数が50人になったことを発表した。内訳は、中国人15人、マレーシア人18人、米国人1人、日本人1人、イタリア人1人だった(4日に確認された14人の国籍は未発表、3月4日時点)。3日に7人、4日に14人の感染が確認された。保健省によると、新たに感染確認となった21人は、いずれも2月29日に感染が確認されたマレーシア人男性との濃厚接触があったという。同男性は1月中旬に上海への渡航歴があり、2月27日に喉の痛みを訴え受診していた。

マレーシア国内および世界各国での感染拡大を受け、展示会や政府機関が実施するイベントなどの延期が発表されている。主要な展示会では、3~4月に開催予定の「マレーシア旅行博覧会(MATTA Fair)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」「マレーシアオートショー外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」「マレーシア国際ハラール見本市(MIHAS)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」などが延期となった。これらの展示会は、いずれも国内外から数万人の来場者を見込む大規模な展示会だ。

また、3月は例年、政府機関が前年の年次報告を行う時期でもある。マレーシア投資開発庁(MIDA)は3月3日に開催を予定していた2019年の投資認可に関する報告会を延期、開催時期は未定としている(3月4日時点)。中央銀行も、3月25日に2019年次報告および2020年経済見通しを発表する会合を開催の予定だが、3月4日時点で会合の予定は中銀ウェブサイト外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますに掲載がされていない状況だ。

入国管理状況に加え、訪問先の受け入れ体制の確認を

マレーシアの入国管理状況では、入国が一時停止されているのは中国3省(湖北省、江蘇省、浙江省)および韓国の一部地域(大邱広域市および清道郡)のみで、日本は対象となっていない。しかし、一部のマレーシア政府機関や企業では、新型コロナウイルスの影響を鑑み、念のため日本を含む流行地域からの来客受け入れを一時的に停止しているケースもあるという。マレーシアへの渡航に当たっては、保健省など政府の対応に加え、訪問先の受け入れ方針も十分に確認しておく必要があるだろう。

また、SNSを中心に、新型コロナウイルスに関する偽のニュースが出回っており、保健省は同省の公式な発表を参照するよう呼び掛けている。

(田中麻理)

(マレーシア)

ビジネス短信 9b027f516eded8f7