ウルグアイで初の新型コロナ感染を確認、通貨安進む

(ウルグアイ)

ブエノスアイレス発

2020年03月17日

ウルグアイで初めての新型コロナウイルス感染者4人が確認されたことを受けて、ルイス・ラカジェ・ポウ大統領は3月13日、衛生緊急事態を宣言した。また、感染が多く確認されている中国、韓国、日本、シンガポール、イラン、スペイン、イタリア、フランス、ドイツからの渡航者に対し14日間の自宅待機を義務付けた。

クルーズ船からの乗客乗務員の下船についても、大統領は禁止する方針を明らかにした。加えて、公共施設におけるイベントの開催も全て中止し、大人数が参加する会議や集会などは避けるよう呼び掛けた。これらの措置は、ウルグアイでカトリックの聖週間の祝祭日と重なる「観光週間」(4月6~12日)が終わるまで有効とし、「必要に応じて延長する」と説明した。

ウルグアイは、これまで南米で唯一、感染者が確認されていなかったが、13日午後、保健省はツイッターを通じて4人の感染者を確認したと公表した。4件は、3月3日から6日にかけて、イタリア・ロンバルディア地方のミラノおよびスペインからの帰国者で、症状は軽度で現在隔離中だとされる。さらに、14日にダニエル・サリナス保健相は、新たに2件の感染が確認され、感染者は計6件になったと伝えた。

3月14日付の「エル・パイス」紙は、「新型コロナウイルス感染の拡大が既にウルグアイ経済にも影響している」とし、「2月の輸出額が前年同月比18.7%減になった」としている。事実、主要輸出相手国である中国向けの牛肉および大豆輸出が大幅に減少している。また、ウルグアイ・ペソ安も進んでいる。この1週間で6.75%、3月だけで13.53%、2020年に入ってから19.05%下落しており、13日時点で1ドル=44.45ウルグアイ・ペソとなった。

(山木シルビア)

(ウルグアイ)

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