「グリーンジェネレーション2020-2030」と「モロッコの森」で雇用創出など目指す

(モロッコ)

ラバト発

2020年03月02日

モロッコ南部のシュトゥカ・アイト・バハ県で2月13日、モハメッド6世国王も出席し、農業部門の新しい開発計画「グリーンジェネレーション2020-2030」と、森林・水部門の国家計画「モロッコの森」の開始に伴う記念式典が行われた。

式典では、アジズ・アハヌッシュ農業・海洋漁業・地方開発・水資源・森林相が2008年に国王の指示で始まった「緑のモロッコ計画」(PMV、2008~2019年)の成果を紹介した。この計画では12件の農業プログラム実施、4件の新機関設立、4,500件の法的文書の発効、340億ディルハム(約3,740億円、1ディルハム=約11円)を超える海外からの投資などを達成したとした。

同大臣はまた、35万~40万世帯の中規模農家と農産業分野の若手起業家の強化を「グリーンジェネレーション2020-2030」の目標の1つとして掲げ、実現のために100万ヘクタールの土地開発、若年層向けの35万人の雇用創出を行うと述べた。さらに、国内の卸売市場を近代化することで農産品の流通プロセスを改善し、年間農業生産額を現在の2,000億ディルハムから2,500億ディルハムまで増加させることと、輸出の拡大を目指すと語った。目標達成のために農業部門の年間予算は2.5%増加の必要性があるとした。

一方で、大臣は、モロッコ全体で900万ヘクタールと推定される森林のうち、毎年1万7,000ヘクタールがまき用原木の乱獲や過剰な放牧により荒廃していると指摘した。2030年までに13万3,000ヘクタールの森林を再生し、2万7,500人の雇用を生み出すことに加えて、エコツーリズム関連で50億ディルハムの収入を得ることなどを「モロッコの森」の目標に挙げた。

(大野晃三)

(モロッコ)

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