ガソリン小売価格の月次見直しの運用を開始

(サウジアラビア)

リヤド発

2020年03月17日

サウジアラビアの国営石油会社サウジアラムコは2月15日、ガソリンを含む燃料の国内小売価格を月次で見直すことを発表した。2月の価格は同発表に合わせて公表されたが、3月からは毎月10日に価格を発表、翌日11日に市場価格へ反映されることになった。3月10日、予定どおり3月のガソリン価格が発表され、レギュラー(オクタン価91)は1リットル当たり1.55リヤル(約46.5円、1リヤル=約30円)、ハイオク(オクタン価95)は2.05リヤルとなり、月次見直しの運用が開始された。

小売価格については、石油の輸出価格の変動に伴い、見直しが実施されると公表されている。サウジアラムコは、3月6日に開催されたOPECプラス(OPECにロシアなど非加盟国を加えた会合)において、協調減産の合意が決裂したことを受け、石油の販売価格の値下げともに、石油生産量を日量1,300万バレルに引き上げると発表した。値下げや増産の影響が、4月の国内小売価格にどのように反映されるか注目される。

ガソリンの小売価格は、2015~2016年のサウジアラビア財政収支の悪化を受け、政府補助金の削除を目的として、2016年と2018年に大幅な値上げが実施された。2回の値上げ後の価格は、レギュラー、ハイオクともに値上げ前の3倍強となり、国民生活にも大きな影響を与えることになった。公共交通機関の整備が遅れているサウジアラビアでは、ガソリン価格の動向は国民生活への直接的な影響が大きいため、今後も小売価格の動向に注目が集まる。

(佐々木宏行)

(サウジアラビア)

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