サウジアラビア政府、日本を含む感染国からの入国を一時停止

(サウジアラビア)

リヤド発

2020年03月02日

サウジアラビア外務省は2月27日、世界的に感染が拡大する新型コロナウイルスの予防措置として、ウムラ(小巡礼)目的での入国(注)、および感染国からの観光ビザおよび商用ビザでの入国を一時的に停止する旨を、同省のソーシャルメディア上で発表した。

同発表には具体的な感染国の列挙はないが、在サウジアラビア日本大使館からの情報によれば、「感染国」とは日本を含む以下の国となっている(外務省ウェブサイト外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますも参照のこと)。人の往来制限が拡大されたことにより、観光・出張目的での渡航を急きょキャンセルせざるを得ないなど、当地ビジネスにも影響が出始めた。

対象国:日本、中国、韓国、タイ、マレーシア、シンガポール、インドネシア、フィリピン、インド、パキスタン、アフガニスタン、イラン、イラク、シリア、レバノン、イエメン、アゼルバイジャン、カザフスタン、ウズベキスタン、イタリア、ソマリア、ベトナム

なお、2月27日のこの入国一時停止措置を受け、同日以降、アラブ首長国連邦とサウジアラビア国境での陸路による貨物の輸送に遅れが出ているもよう。国境をまたぐトラック輸送など物流関係者は通常、商品配達ビザのカテゴリーを取得しているとみられるが、上記対象国に含まれる南西アジア地域国籍の保有者が多いため、国境での対応ぶりが注目されていた。

現時点では、上記対象国にかかわらず、物流関係者は国境においてウイルスチェックを受け、異常が認められなかった場合に入国を許可されているようだが、検査の順番待ちや検査結果入手など、通常より入国に大幅な時間を要している。

(注)サウジアラビア外務省は3月1日、過去14日間サウジアラビア国内に滞在し、感染の兆候が見られない湾岸協力会議(GCC)国籍保有者を、例外扱いとすることを追加で発表した。

(柴田美穂)

(サウジアラビア)

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