南京市、消費喚起策として3億元分の電子クーポンを配布

(中国)

上海発

2020年03月19日

新型コロナウイルスの感染拡大について、中国の華東地域では落ち着きを見せ始めている。江蘇省では2月25日午前0時より、重大突発公共衛生事件1級(特に重大)から2級(重大)に引き下げたことを受け、南京市でも市内観光スポットの運営再開や飲食店の営業再開など、サービス業の全面的な操業再開の動きも進みつつある。

こうした中、南京市政府は消費喚起策として3億元(約48億円、1元=約16円)分のクーポン券を配布すると発表した。今回発行されるクーポンは(1)困窮市民向け、(2)労働組合員向け、(3)農村旅行(注)、(4)飲食、(5)スポーツ、(6)図書、(7)通信の計7種類である。(1)~(3)は必要に応じ配布され、クーポン総額は2億5,000万元に達する。一方、(4)~(7)はインターネット上で抽選を行い、総額5,000万元の範囲内で配布される。

インターネット上の抽選については、戸籍や居住地を問わず、「私の南京」アプリに実名登録した者であれば申し込むことができる。参加申し込み期間は3月15日午前0時から3月22日まで、抽選は計3回行われ、当選情報はウェブ上で公開される。

(4)~(7)の電子クーポンのうち、(4)飲食が2,000万元、(5)スポーツが1,000万元、(6)図書が700万元、(7)通信が1,300万元となっている。使用期限は種類ごとに異なっており、飲食は3月31日、図書と通信は5月6日、スポーツは5月30日までとなっている。

南京日報(3月9日)では、南京市の張敬華書記が南京市の有名店で料理を味わう様子を報じている。市幹部自ら感染拡大の落ち着きと、市民の消費を喚起するためアピールを行っている。

(注)南京の農村観光旅行を促進するため、民宿宿泊、お土産購入などに使えるクーポン

(呉秀媛)

(中国)

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