イタリアからの渡航者に対する入国制限を実施

(オーストラリア)

シドニー発

2020年03月13日

オーストラリアのスコット・モリソン首相は3月11日、中国、イラン、韓国からの渡航者に対する入国制限を延長するとともに、イタリアからの渡航者に対する14日間の入国制限を同日より実施すると発表した。中国からは2月1日、イランからは3月1日、韓国からは3月5日以降、入国制限が実施されており、イタリアは4カ国目の入国制限対象国となる。

イタリアからの入国制限措置は、すでに実施されている3カ国に対する対応と同様に、イタリアに滞在(乗り継ぎを含む)していた外国人(オーストラリア永住者を除く)がイタリアを離れてから14日間、オーストラリアへの入国を制限するものだ。オーストラリア人、オーストラリア永住者とその家族(配偶者、法的後見人および扶養家族のみ)は入国が認められるが、イタリアを離れてから14日間は自宅待機することが求められている。同時に、オーストラリア外務貿易省外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますは、イタリア全土に対する渡航情報を「渡航の再考」に、ロンバルディア州の他14州に対する渡航情報を「渡航禁止」に引き上げている。

新型コロナウイルス感染拡大に伴い、モリソン首相は24億オーストラリア・ドル(約1,608億円、豪ドル、1豪ドル=約67円)の包括的な医療対策を講じると発表した。グレッグ・ハント保健相によると、呼吸器系の診療所を一時的に最大100カ所開設するほか、医師と電話での診療相談、ワクチン、抗ウイルス薬の研究開発などに費用があてられる。

オーストラリアでは、3月11日朝11時現在、112名(ニューサウスウェールズ州60名、クイーンズランド州15名、ビクトリア州15名、南オーストラリア州6名、西オーストラリア州4名、タスマニア州2名、クルーズ船ダイヤモンド・プリンセス号搭乗者10名)の新型コロナウイルス感染者が確認されている。このうち、15名は武漢から、18名はイランからの直接または乗り継ぎなどの渡航者で、39名はシンガポール、アメリカ、欧州、UAE、日本などへの渡航歴があるという。また、このうち24名はすでに回復し、3名は死亡したと報告されている(オーストラリア保健省ウェブサイト参照外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。

(遠藤泰平)

(オーストラリア)

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