2019年第4四半期の実質GDP成長率は前期比0.3%、2019年通年で0.9%
(スイス)
ジュネーブ発
2020年03月17日
スイス経済省経済事務局(SECO)は3月3日、2019年第4四半期(10月~12月)の実質GDP成長率
を前期比0.3%と発表した(表参照)。成長は国内経済に支えられた一方、輸出産業が勢いを失い、2019年第3四半期(7~9月)から鈍化した。また、2019年通年の成長率は0.9%となった。
産業別に成長率をみると、製造業は、2018年第4四半期以降プラス成長が続いたが、当期は成長率ゼロとなった。機械・金属などの景気サイクルに敏感な産業は国際的な逆風にさらされ続け、売上高が減少した。化学・医薬品が経済成長を支えたものの、前期までの成長率のペースには至らず、財貨の輸出はマイナス0.5%と微減、輸入はマイナス2.7%と大幅に減少した。
サービス業は、内需の好調で、自動車販売に支えられた商業(1.2%)をはじめとして、宿泊・飲食(1.0%)、建設(0.9%)、行政(0.5%)と医療(0.5%)が成長を牽引した。ビジネスサービス(0.2%)は、3四半期ぶりにプラスに回復した。対照的に、輸送・通信(マイナス0.3%)、金融(マイナス0.4%)はマイナスになった。また、サービス輸出は0.8%と微増し、サービス輸入はマイナス1.8%と落ち込んだ。
需要項目別にみると、機械・電気機器関連の投資は、企業が生産能力増強に向けた投資を控える世界的な動きに伴い減少したものの、設備投資(2.4%)は航空機に牽引され伸びた。建設投資(0.4%)は好調だった建設業の成長に伴い増加し、個人消費(0.4%)、政府消費支出(0.5%)は消費者物価の下落で前期より伸びた。国内需要は全体として、緩やかな伸びをみせた。
2019年通年では、実質GDP成長率(速報値)は0.9%、スポーツイベント調整後(注)の成長率は1.4%となり、2018年の2.8%(スポーツ調整後2.3%)から鈍化した。スイス経済は2015年(1.3%、スポーツ調整後1.6%)、2016年(1.7%、1.4%)と同様の緩やかなペースの成長に戻った。業種ごとに伸び率は異なるものの、製造業が引き続き大きく寄与し、サービスセクターの寄与は2018年に比べ伸び悩んだ。
(注)スイスには、国際オリンピック委員会(IOC)や国際サッカー連盟(FIFA)、欧州サッカー連盟(UEFA)など主要国際イベントの本部が置かれているため、オリンピック、FIFAワールドカップ、サッカーUEFAチャンピオンズリーグの開催年には放映権収入がスイスのGDPを押し上げ、翌年のGDPにはマイナスに作用する。
(竹原ベナルディス真紀子)
(スイス)
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