全ての外国投資に豪政府の認可を義務付ける暫定的措置を発表

(オーストラリア)

シドニー発

2020年03月30日

ジョシュ・フライデンバーグ財務相は3月29日、外国からオーストラリアへの全ての投資に対して、投資額や投資内容にかかわらず、オーストラリア政府の認可を必要とする暫定的措置を発表した。新型コロナウイルスの影響によって経済的圧力を受けている中、オーストラリアの国益を守るために必要な措置だとしている。

オーストラリアではこれまで、大部分の産業において、小規模な外国投資は報告義務が免除されており、多額の外国投資であっても、国益に反しない限り認可されていた。非常に多額、または重要インフラなどのセンシティブな案件については、外国投資審査委員会(FIRB)によって、国益に反しないかが審議されてきた。

今回の暫定的措置によって、3月29日22時30分以降、金額を問わず全ての外国投資に対して審査が行われ、FIRBによる審査期間は通常の30日から最大6カ月まで延長される(注)。これによって、期間中に提案された全ての外国投資を適切に審査することができる、とする。なお、オーストラリアの企業や雇用を直接支援する案件については、例外的に審査期間を早めることがある、としている。詳細はFIRB外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますウェブサイトおよび2020年修正外資買収規則(閾値テスト)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを参照。

フライデンバーグ財務相は、「これは投資の凍結ではなく、新型コロナウイルスの影響を受ける期間中の一時的な措置」だとして、「外国投資はオーストラリア経済にとって極めて重要であり、引き続き外国からの投資を歓迎する」と強調した。

(注)従来、審査基準額は一般投資の場合、2億7,500万豪ドル、農業分野では6,000万豪ドル、メディアでは0豪ドルだった。

(住裕美)

(オーストラリア)

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