米CDCが欧州への渡航の注意レベルを最大の3に、全世界もレベル2に引き上げ
(米国、欧州)
ニューヨーク発
2020年03月16日
米疾病予防管理センター(CDC)は3月11日、トランプ大統領による欧州26カ国から米国への入国制限措置に続き(2020年3月11日記事参照)、米国から欧州29カ国への渡航について注意レベルを最大の3とし、不要不急の渡航を控えるよう勧告した。対象となるのはシェンゲン協定圏内の欧州26カ国(注)に加え、モナコ公国、サンマリノ共和国、バチカン市国となっている。英国は対象外。
米疾病予防管理センター(CDC)は注意レベル3の内容として、不要不急の渡航を控えるほか、体調不良の人には近づかず、石けんで手を頻繁に洗うことを勧めており、高齢者や疾病のある人は重篤な疾患のリスクが高いとしている。注意レベル3の国から帰国した米国民に対しては14日間自宅待機をし、体調を自己観察しなければならないとしている。このほか注意レベルが3となっている国は、中国、イラン、韓国となっている。
CDCはまた、注意レベル3以外の全世界の国・地域を注意レベル2とし、高齢者や疾病のある人に対し、不要不急の渡航を控えるよう促している。なお、注意レベル2の対象国から米国へ帰国した人に対しては、義務ではないが、14日間の自己観察を勧めている。国務省も3月11日に、同内容のグローバル健康勧告レベル3を発出している。
ジョンズ・ホプキンス大学によると3月15日時点で、米国内の感染者は3,499名、死亡者は63名となっており、CDCによると46州とコロンビア特別区で感染者が出ている。
(注)加盟国間の国境を国境検査なしで越えることを許可する協定。加盟国26カ国はオーストリア、ベルギー、チェコ、デンマーク、エストニア、フィンランド、フランス、ドイツ、ギリシャ、ハンガリー、アイスランド、イタリア、ラトビア、リヒテンシュタイン、リトアニア、ルクセンブルグ、マルタ、オランダ、ノルウェー、ポーランド、ポルトガル、スロバキア、スロベニア、スペイン、スウェーデン、スイス。
(吉田奈津絵)
(米国、欧州)
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