ECB、新型コロナウイルス対策のため、7,500億ユーロの緊急量的緩和を実施

(ドイツ、EU、ユーロ圏)

デュッセルドルフ発

2020年03月19日

欧州中央銀行(ECB)は、3月18日、7,500憶ユーロの緊急量的緩和実施を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。新型コロナウイルス感染拡大の影響が心配される中、金融市場の不安定化および今後のユーロ圏経済の悪化に対抗する。

新たな資産購入プログラムとして、「パンデミック緊急購入プログラム(Pandemic Emergency Purchase Programme:PEPP)」を開始し、民間および公的部門の有価証券を購入していく。期間は「2020年末まで」とするが、それ以降も新型コロナウイルスの危機段階が終わったと判断されるまで継続される可能性がある。

同プログラムでの購入対象は、既存の債券・国債の購入プログラム(APP:asset purchase programme)で対象とするすべての資産カテゴリを含む。なおECBは、市場の安定につなげるべく、各国国債の購入については、PEPPによる資産購入を柔軟に運用していく方針を示しており、国債購入額を機動的に変えると見られるほか、民間企業の社債購入プログラム(CSPP)下での適格資産の範囲を拡大するなどの方針も示している。

声明の中で、ECBは、ユーロ圏のすべての市民を支援するという役割を果たすために「必要なことはすべてやる」としたうえで、今後資産購入の規模や構成について必要な限り調整する準備があると表明。自主規制として設けている制限についても必要に応じて見直す考えを明らかにしている。

(森悠介)

(ドイツ、EU、ユーロ圏)

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