韓国の2019年対外直接投資、5年連続で過去最高に

(韓国)

ソウル発

2020年03月27日

韓国企画財政部の3月20日発表によると、韓国の2019年の対外直接投資額は前年比21%増の618億5,000万ドルと、5年連続で過去最高を更新した。

業種別にみると、(1)金融・保険が国内の低金利による海外ファンドへの投資増で前年比45.4%増、(2)不動産が海外の大型不動産取得で33.3%増、(3)製造業が韓国企業のグローバル化に伴う大型M&Aや設備投資などで13.8%増となり、増加を牽引した(表1参照)。卸・小売り(18.4%減)は減少した。業種別シェアは、金融・保険(40.5%)、製造業(29.7%)、不動産(11.2%)、鉱業(4.1%)、卸・小売り(3.3%)だった。

表1 業種別の対外直接投資(実行ベース)

地域別にみると、北米(前年比36.4%増)、欧州(14.9%増)、アジア(14.0%増)、中南米(23.5%)向けの投資が増加した(表2参照)。企画財政部によると、米国向けは販売ネットワーク構築のための大型M&Aなど(32.4%増)、中国向けは電気自動車や半導体分野など大手企業による設備投資の活発化(20.7%増)が増加要因としている。

地域・国別シェアは、アジアが32.3%(うち、中国9.4%、ベトナム7.2%)、北米が25.8%(うち、米国23.9%)、欧州が21.9%、中南米が16.6%(うち、ケイマン諸島13.1%)だった。

表2 地域・国別の対外直接投資(実行ベース) 

日本向けの直接投資は、前年比8.4%減の12億400万ドルとなった。全体の6割強を占める金融・保険が3.7倍と大幅に増加した一方、宿泊・飲食(84.3%減)や情報通信(73.9%減)、不動産(70.2%減)は大幅に減少した(表3参照)。

表3 日本向けの対外直接投資(実行ベース)

〔李丙鎬(イ・ビョンホ)〕

(韓国)

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