ベトナム初の新型コロナウイルス検査キットに海外も注目

(ベトナム)

ホーチミン発

2020年03月19日

ベトナム軍医大学とベトAコーポレーション(ホーチミン市)が3月3日、ベトナム保健省に検査キットの研究結果を提出していた。検査キットは、呼吸器や血液から採取した標本に、コロナウイルス(SARS-CoV-2)が含まれるかどうかを判定する(注1)。同省は検査キットの早期の製造のため、翌4日に許可発行手続きを行い、商品の登録番号について決定番号774/QĐ-BYTを発行した(保健省ウェブサイトおよびサイゴンタイムス3月4日)。

これにより検査キットの量産が開始され、1日約200セットの生産が可能となった。40以上の病院・疾病対策施設が製品を購入するとしており、いくつかの病院と検査機関はすでに実用を開始している。これまでのところ利用者からは正確性が高いとの評判だ(VOVニュース3月17日)。

1セットで50件の検査が可能で、価格は40~60万ドン(約1,840~2,760円、1ドン=0.0046円)だ。サンプル採取から結果判明まで約2時間と短時間で結果が判明する。

ベトナム政府は、4,000セットを購入する計画を公表した。これにより20万件の試験が可能となる。これらの多くは、ハノイ市内の病院に供与される一方、残りは、ヨーロッパで感染の影響が最も大きいイタリアの病院に寄贈される。

国外では、カンボジア、ドイツ、イタリア、ナイジェリア、南アフリカ、オーストラリア、フィンランド、ウクライナなど10カ国以上が関心を示している。

ベトAコーポレーション営業部担当者によると「現時点ではベトナム政府を通じた輸出のみで、商業用輸出はお客様からの商談を受けて検討する見込み(注2)」とのことだ。

(注1)検査キットは、RNAのDNAへの逆転写と、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR:特定のDNA塩基配列の増幅)とを組み合わせた逆転写ポリメラーゼ連鎖反応に基づくもの

(注2)商品情報の問合わせ先(英語)は、sales@vietacorp.com

(比良井慎司、ダン・ティ・ゴック・スオン)

(ベトナム)

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