2月末の総外貨準備高は876億ドル、支払能力は安定

(フィリピン)

マニラ発

2020年03月25日

フィリピン中央銀行(BSP)は3月6日、2月末時点の総外貨準備高(GIR)は、国全体の輸入額の7.7カ月分、短期対外債務の5.4倍に相当する876億660万ドルになったと発表した。1月末時点から0.8%(7億3,800万ドル)増、前年同月からは5.8%(48億2,580万ドル)増となった。

新型コロナウイルスの感染拡大はヒト、モノの流れを寸断し、各国の金融市場に大きなショックを与えている。この点、フィリピンの支払い能力の指標としての短期対外債務と外貨準備の比率は5.4倍と、流動性確保の観点から望ましい水準とされる1倍を超え、フィリピンの返済力は安定している。実際、2月の通貨ペソの下落率は0.1%にとどまり、3月中(20日まで)の下落率も0.5%と大幅な下落はみられない。

なお、2月末時点のGIRの内訳は、海外投資(外貨建て債券)が753億7,520万ドル(構成比:86.0%)、金準備が80億1,590万ドル(9.1%)、外国為替が24億5,110万ドル(2.8%)、IMF特別引き出し権(SDR)が11億7,800万ドル(1.3%)、IMF準備ポジションが5億8,640万ドル(0.7%)だった。

GIRからBSPの短期債務を引いた純外貨準備高(NIR)は、2月末時点で876億ドルとなり、1月末から7億4,000万ドル増加した。

(坂田和仁)

(フィリピン)

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