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新型コロナウイルスの影響で中国ODA案件の進捗に暗雲

(フィリピン)

マニラ発

2020年03月12日

フィリピン国家経済開発庁(NEDA)は、中国・武漢市を発生源とする新型コロナウイルスの世界的な感染拡大を受け、中国のODAを財源とする各種プロジェクトの進捗が大きく遅延する見込みだと発表した。2月14日付「フィルスター」ほか地元各紙が報じた。

NEDAのアーネスト・ペルニア長官によると、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、自身を含めてフィリピンの政府高官は中国に渡航することができず、中国のODAを財源とするプロジェクトについて中国政府と会議を持つことができないとし、「中国政府もプロジェクトの早期進行の意思を示しているが、具体的な解決策を見いだすためにも直接会う必要がある」とした。

総額240億ドルに上るとされる中国の対フィリピンODA供与額のうち、現時点で開発が進行中のプロジェクトは、カガヤンバレー地方のチコ川灌漑揚水案件およびマニラ首都圏の新水源となる予定のカリワダム建設案件の2つだけで、その総額は2億7,330万ドルだ(「ビジネスミラー」紙2月14日)。

アジア大洋州大学のベルナード・ビレガス副学長は地元紙「ビジネスミラー」の取材に、中国からの巨額の資金援助の提供に対して、フィリピン政府や国民は当初大きな期待を抱いていたが、一向に進まないプロジェクトの状況に既に失望感さえ生じているとした。

巨額の支援と引き換えに中国は南沙諸島の領土問題でフィリピンに対して譲歩を求めており、フィリピン国民はそうしたことを懸念している状況だ。フィリピンの民間調査会社ソーシャルウェザーステーションズ(SWS)が、2019年11月に発表した調査(2019年9月時点)結果によると、中国を信頼していると回答したフィリピン国民の割合は21%で、ドゥテルテ政権が始まった2016年6月以降では、18%を記録した2018年6月に次いで2番目に低い水準となった。

ドゥテルテ政権は2016年の発足以降、大規模インフラ整備計画「ビルド・ビルド・ビルド」を進めており、高速道路や鉄道、空港、港湾といった交通インフラを中心に、2022年までに8兆ペソ(約16兆8,000億円、1ペソ=約2.1円)の予算を投じる計画で、その財源の多くを国内や海外からのローンに頼っている。

(坂田和仁)

(フィリピン)

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