通信、運輸、放送、発電など公共サービスの外資規制緩和法案、下院承認へ

(フィリピン)

マニラ発

2020年03月12日

フィリピン国営通信は2月18日、外資の公共サービスへの参入規制を撤廃する公共サービス法の改正法案が下院第2次公聴会で承認されたと報じた。

1936年成立の現行の公共サービス法は、フィリピン人もしくはフィリピン人が60%以上出資する企業だけに公益事業の運営・管理業務への参入を認めていたが、同法は公益事業の定義を定めておらず、通信、運輸、放送、発電といった公共サービスも公益事業と見なされ、実質的に外資の参入の妨げになっていた。

同法改正案では、公共サービスのうち公益事業に当たる分野を送電、配電、配水および下水道の3分野に限定し、これらの運営・管理業務のみ、外国資本出資比率の上限を40%と規定した。

改正法案は序文において、公共サービス市場が独占または寡占状態にあるため、多くの消費者が高い料金や低い質のサービスを受けている中、法改正により競争が促され、公共サービスの質の向上と、価格の低下が期待されると規定する。

フィリピンの公益事業への外資の参入事例としては、中国の送電企業大手の国家電網がフィリピン国家送電会社(NGCP)に対して40%出資している事例や、フィリピン国家通信委員会(NTC)が2019年7月、国内第3の通信事業者として、中国電信(チャイナテレコム)が40%出資するディト・テレコミュニティーに事業許可証を付与した事例が挙げられる。

(坂田和仁)

(フィリピン)

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