コロナウイルスの感染拡大受け、ロシアは経済安定性向上に向けた政府委員会を設置

(ロシア)

欧州ロシアCIS課

2020年03月12日

ロシア政府は3月5日、世界的に新型コロナウイルス感染が拡大する中、国内の経済各分野と金融セクター発展の安定性向上のため、「ロシア経済の安定性向上のための政府委員会」の設置を決定した。行政当局の活動を調整し、科学研究機関、公的機関の代表者、ビジネス団体との協同を実現することが目的。委員長はアンドレイ・ベロウソフ連邦政府第1副首相が務める(2020年3月5日付連邦政府決定第236-p号)。

現時点で、コロナウイルス感染拡大によるロシア経済への影響は最小限にとどまっており、金融市場も安定している(2020年2月20日記事参照)。しかし、「絶えざる監視とバランスの取れた意思決定が必要で、必要が生じれば、中央銀行は金融市場安定のため、あらゆるツールを使用する準備ができている」と、クセニヤ・ユダエワ中銀第1副総裁は3月4日に記者団に語った(インターファクス通信3月4日)。

一方、マクシム・レシェトニコフ経済発展相は3月2日、下院(国家院)の予算委員会で、コロナウイルスの影響は当初の予想よりも深刻だと指摘。4月9日までに、2020~2022年のロシアの社会経済予測シナリオを刷新し、「ロシアの予算システムはあらゆる外部からの衝撃にも耐え得る」と述べている(インターファクス通信3月4日)。

(秋塲美恵子)

(ロシア)

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