インド各地で移動・操業制限、事業継続への影響大
(インド)
ニューデリー発
2020年03月24日
インドでは、中央政府の呼び掛けや各地での新型コロナウイルス感染拡大を受けて、各州で移動や操業にかかる制限が実施され始め、市民生活や企業活動に大きな影響を与えている。州ごとに制限事項に差はあるが、主に生活必需品や医薬品などを除く店舗の操業停止、一部のバス以外のメトロ、タクシーなど全ての公共交通機関の停止、オフィスや工場の閉鎖、州境の封鎖などが実施されている。3月22日のインド政府広報局の発表によると、全国75地区で必要不可欠なサービス以外の操業に制限がかかっており、デリー準州やハリヤナ州、カルナータカ州、マハーラーシュトラ州、タミル・ナドゥ州など日系企業も多く集積する大都市も含まれている(一覧はインド政府広報局公式ツイッター参照)。期間は3月末までとしている州が多い。
こうした州政府からの通達を受けて、マルチ・スズキ・インディア社やホンダカーズインディア・リミテッドなどが生産の一時停止を発表するなど、日系企業の活動にも大きな影響が出始めている。
モディ首相が国民に自発的外出制限を要請
こうした各州での制限措置に先立ち、ここ数日、中央政府は新型コロナウイルス感染拡大への対策を矢継ぎ早に発表した。3月19日、政府は3月22日からの一週間、国際線旅客機の着陸禁止を発表。19日夜にはモディ首相が国民に向けて約30分間の演説を行い、22日午前7時から午後9時まで、国民が自発的に外出を制限するよう努める「Janta Curfew」(注)を呼び掛けた。また19日、ニルマラ・シタラマン財務相をトップとした経済タスクフォースを立ち上げた。今後、具体的な経済政策の発表が待たれる。
(注)Jantaはヒンディー語で「人民、人々」などの意。
(磯崎静香)
(インド)
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