インド、新型コロナウイルスの感染者が28人に

(インド)

ニューデリー発

2020年03月06日

インド保健・家庭福祉省は3月4日、新たに22人の新型コロナウイルス感染を確認したと発表した。インドの感染者は合計28人となった。

インドでは1月30日に南部ケララ州で初の感染者を確認。2月上旬にさらに2人の感染がケララ州で確認された。いずれも発生源の中国武漢から帰国した学生で、それ以降約1カ月は感染は拡大していなかった。しかし、3月2日に首都ニューデリーと南部テランガナ州で1人ずつ感染を確認したのを皮切りに、翌3日は北西部ラジャスタン州ジャイプールを旅行中のイタリア人男性の感染を確認。4日付のインド保健・家庭福祉省の発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますでは、そのイタリア人男性の妻と、同じ旅行グループのイタリア人14人、インド人1人、ニューデリーで感染が確認された男性と接触歴のあったウッタル・プラデシュ州アグラの6人の計22人の感染を確認したという。

また、インド商工省商務局・外国貿易部は3月3日付の通達PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)で、26品目の医薬品原薬・製剤を輸出自由品目から輸出制限品目に変更した。現地報道によると、新型コロナウイルスがさらに拡大した際に医薬品不足に陥るのではないかという不安を和らげるための措置とみられている(「タイムズ・オブ・インディア」紙3月4日)。

感染者の増加を受けて、インド政府も警戒を強めている。保健・家庭福祉省のハルシュ・ヴァルダン大臣やデリー準州のアルビンド・ケジュリワル州首相は会見を開き、感染の現状や防止策などについて説明し、感染拡大防止に向けた理解と協力を呼び掛けた。

インドでは3月10日に、ホーリーと呼ばれる色のついた粉や水を掛け合い春の到来を祝うヒンドゥー教の祭りを控えているが、モディ首相は感染拡大防止のためには人が多く集まる場所は避けるべきであることから、今年のホーリー関連の行事への参加を見送ると公式ツイッターで表明した。

新型コロナウイルスに関するインドでのこれまでの主な動きは表のとおり。

表 新型コロナウイルスについてのインドの主な動き(2020年3月4日時点)

(磯崎静香)

(インド)

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