日系化粧品大手、上海市に研究開発センター設立、感染症への対応も

(中国)

上海発

2020年03月30日

化粧品大手の資生堂は3月17日、上海市に世界で3カ所目となる研究開発センターを設立すると発表した。新型コロナウイルスの感染拡大を防止すべく、今回の発表は、動画プラットフォームの「TikTok」や「Bilibili」を通じたライブ配信で行われ、計10万8,000人の観客がリアルタイムで視聴した。

同研究開発センターの設置場所は、美容・健康産業特区「東方美谷(The Oriental Beauty Valley)」(以下、東方美谷)で、主に環境に優しい化粧品や新たな有用性評価法などに関する研究が行われる。

東方美谷は上海市奉賢区に位置し、長江デルタ地域最大規模の美容・健康産業の経済特区だ。上海市の約25%の化粧品関連企業が集積しており、入居企業は主に中国国内の化粧品メーカーが占める。今回の資生堂の参入は国際的な大手化粧品メーカーとして初めての事例となる。

資生堂中国地域CEO(最高経営責任者)の藤原憲太郎氏は、新たに研究開発センターを設置した理由について、「中国が資生堂の海外における最大の消費市場であり、また、東方美谷にはあらゆる分野のパートナーや人材が集まる。この機会に国内外のパートナーと協議し、新たなアイデアを創出したい」と語った(「澎湃新聞」3月19日)。

なお、資生堂は、新型コロナウイルス肺炎で困っている人々のために「愛心接力RELAY OF LOVEプロジェクト」を立ち上げ、寄付や商品提供活動を行っている。すでに武漢市慈善総会へ100万元、上海市慈善基金会に1,000万元を寄付している。また、新型コロナウイルスが終息するまで、救援物資として資生堂グループの商品を提供している。

(林真彦、張俊俊)

(中国)

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