新型コロナウイルスによる米西海岸の物流への影響、長期化を懸念

(米国)

ロサンゼルス発

2020年03月17日

新型コロナウイルスの感染拡大の影響により、米ロサンゼルス港では貨物船の運行停止や遅延が続いている。

ロサンゼルス港湾局のジーン・セロカ局長は、全米公共ラジオ放送(NPR、3月11日)で、「ロサンゼルス港では2月中旬~4月1日にかけて、41隻の運航キャンセルが出ている。これは普段の同時期の運行隻数の25%に相当する」と述べた。

物流の停滞により米国内の商品供給が懸念されている。全米小売協会(NRF)が会員向けに行ったアンケートによると、新型コロナウイルスの影響によりサプライチェーンへの混乱が生じていると回答した会員は40%に上り、そのほか26%がウイルスの感染拡大が続けば、将来的に混乱が生じうると回答した。同協会では、中国国内の工場の操業停止や移動制限が続く中、小売製品の主要輸入港への影響は以前考えられていたよりも大きく、長引くものとみている。

日系企業は影響の長期化を懸念

ジェトロが3月9~11日に実施した在米日系企業へのヒアリングでは、サプライチェーンへの影響に関し、「中国製品は多少の納品遅れあり」「中国からの部品輸入は従来の水準には戻っていない状況。航空便で対応している」と物流の停滞を指摘する声が聞かれた。また、「現状はこれまでの在庫がある。長期化すれば、米国での生産量に影響」「大きな影響が出始めるとしたら4~5月からではないか」と影響の長期化を懸念する回答もみられた。

(サチエ・ヴァメーレン)

(米国)

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