オーストラリア、イランからの渡航者に対する入国制限を実施

(オーストラリア)

シドニー発

2020年03月03日

オーストラリアのスコット・モリソン首相は2月29日、中国からの渡航者に対する入国制限に加え、イランからの渡航者に対する14日間の入国制限を3月1日から実施すると発表した。同時に、オーストラリア外務貿易省外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますは、イランに対する渡航情報を「渡航禁止」に引き上げている。

入国制限は、中国に対して実施されていたものと同様に、イランに滞在(乗り継ぎを含む)していた外国人(オーストラリア永住者を除く)がイランを離れてから14日間、オーストラリアへの入国を制限するもので、オーストラリア人、オーストラリア永住者とその家族(配偶者、法的後見人および扶養家族のみ)は対象外で、入国が認められるが、イランを離れてから14日間は自宅待機することが求められている。

モリソン首相は「現時点では、中国に次いで、イランからの渡航者による新型コロナウイルスの輸入リスクが最も高いと判断した」と説明している。実際、クイーンズランド州で2月28日、イランへの渡航歴を持つ症例が確認された。この患者は現在、同州内の病院で隔離されており、同州保健局による接触歴の確認が行われている。

オーストラリアでは、3月2日午前6時30分現在、29人(ニューサウスウェールズ州6人、ビクトリア州9人、南オーストラリア州3人、クイーンズランド州9人、西オーストラリア州2人、このうち10人はクルーズ船ダイヤモンド・プリンセス号搭乗者)の新型コロナウイルス感染者が確認されており、うち15人は既に回復していると報告されている(オーストラリア保健省ウェブサイト参照外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。なお、3月1日にはクルーズ船搭乗者のうち1人の死亡が確認されており、オーストラリアで最初の死亡例となった。

(住裕美)

(オーストラリア)

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