広東省、全世界からの入国者を隔離対象に

(中国)

広州発

2020年03月24日

広東省政府は3月20日、3月21日午前0時以降、海外からの全ての広東省への入国者、および香港・マカオ・台湾もしくは広東省外から入国し14日以内に海外滞在歴がある人員について、広東省が移動の目的地である場合、中国籍・外国籍を問わず14日間の在宅もしくは集中隔離による医療的観察の対象とすると発表した。

広東省政府は3月18日にも3月19日午前0時以降、外国籍の入境者について、隔離対象となる地域を11カ国から19カ国へと拡大、国外から広東省に戻った全ての中国籍旅客を隔離対象とすると発表したばかりだった。

観察対象を大幅に拡大

これまで同省政府は、3月5日より4カ国(日本、韓国、イタリア、イラン)、13日より追加4カ国(ドイツ、フランス、米国、スペイン)、3月17日より追加3カ国(英国、タイ、フィリピン)、3月19日より追加8カ国(スイス、スウェーデン、ベルギー、ノルウェー、フィンランド、デンマーク、オーストリア、マレーシア)計19カ国について入国の14日以内に滞在歴がある場合、14日の在宅もしくは集中管理による医学的観察の対象としてきた。

18日には清明節(注)の墓参りの制限などについての「広東省の清明節墓参り期間の新型コロナウィルスによる肺炎流行予防・コントロール業務の手引き」を公開、華僑・華人を含めた海外滞在者に清明節期間中に帰国しないよう呼び掛けている。広東省は華僑・華人が多く、清明節をきっかけとした大量帰国による、海外からの感染の逆流入の予防にも力を入れている様子だ。

集中隔離費用も自費に

入国後のウイルス検査については引き続き無料で受けることができるが、集中隔離による医学的観察が必要となった場合、宿泊費・飲食費はすべて自己負担となる。新型コロナウィルスに感染していた場合の医療費については、医療保険加入者の自己負担分を政府が補助する。医療保険未加入者は原則自己負担となるが、経済的に支払いが困難な場合、条件を満たした患者は医療補助を受けることができる。

(注)先祖を祭る中国の伝統的祭日。毎年4月4日ごろを休日とし通常3連休となる。広東省内では約1,000万人が墓参りを行うとされている。

(河野円洋)

(中国)

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