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新型コロナウイルス対策による中国人入国制限で首都圏の不動産市況に暗雲

(フィリピン)

マニラ発

2020年03月05日

新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、フィリピン政府が2月2日付で中国からの入国制限措置を発動したことにより、オフィス物件を中心にマニラ首都圏の不動産市場の先行きに不透明感が出てきた。

米国系の大手不動産会社コリアーズ・インターナショナルによると、首都圏のオフィス物件の空室率は4.3%だったが、2019年に入りIT-BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)業界を抜いて最大のオフィス需要者になったとされる中国人によるオンラインカジノ企業のオフィス需要動向によっては、空室率は5.3%から7.6%に上昇すると予測する。

コンドミニアムを中心とした住宅物件についても、中国からの入国制限の影響は避けられない。2020年に供給を開始するコンドミニアムの80%はオンラインカジノ企業が多く存在するマニラ湾岸地区に建設される。仮に完売した場合の首都圏全体の空室率は10.4%になるが、オンラインカジノ企業の動向次第では、14.4%から18.8%まで上昇するとされる。

フィリピンでは、労働ビザや営業免許の不保持、付加価値税や所得税、法人税の不払いといった違法営業を行うオンラインカジノ事業者がここ数年で急増、その多くが中国企業とされており、フィリピン政府だけでなく中国政府も問題視して、取り締まりを強化している。カジノ規制当局のフィリピン娯楽賭博公社(PAGCOR)は2019年8月、少なくとも2019年末まではオンラインカジノ営業免許の受け付けを停止すると発表。在フィリピン中国大使館の関係者も、中国人の不法滞在や不法就労への取り締まり強化をフィリピン政府に求めると表明している。

(坂田和仁)

(フィリピン)

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