ペルーで新型コロナ感染者を確認、一部の感染国からの入国者には自宅隔離対応も

(ペルー)

リマ発

2020年03月13日

マルティン・ビスカラ大統領は3月6日の国営放送で、ペルー初の新型コロナウイルス感染者1人が確認されたことを発表し、国民に冷静な対応を呼び掛けた。また、同席したエリザベス・イノストロサ保健相も同様に、国立疫病対策センター(CDC-Perú)の下で「新型コロナウイルス感染リスクへの準備と対応に関する国家計画外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」が遂行されているため安心するよう国民に訴えたが、その後に感染者の近親者7人全てのほか、アレキパ州でも別に英国から2月末に帰国した1人の感染が確認された。さらに、3月10日には新たに2人の感染者(いずれも欧州への渡航歴あり)が発表され、同日時点で計11人の感染が確認されている。保健省(MINSA)は、同省ウェブサイトでコロナウイルスの対策ユニットを設置した病院を公表(表参照)すると同時に、同省決議039-2020号外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますにより、本感染症に関する全ての治療費は総合健康保険(SIS)によって保障されるとしている。

なお現時点で、ペルー政府による入国制限などの措置はされていないが、空港などで抜き打ち検査が行われていることが確認されている。実際、筆者が3月4日に一時帰国先の日本からペルーに戻った際に、入国審査後に臨時スペースで、(1)額での検温、(2)簡易問診、(3)氏名・年齢の確認、(4)ペルー国内の滞在先と連絡先の確認、(5)出発地および経由地の確認、などが行われた。一方で、その前後の日には実施されていないことが確認されている。中国、イタリア、フランス、スペインからの入国者については、14日間自宅隔離することに加えて、国内全ての学校の新学期始業を3月30日まで延期することが3月11日に発表された。

しかし、観光商工会議所(CANATUR)のカルロス・カナーレス会頭は、首都リマのホルヘ・チャベス国際空港における対策は、他国に比べて不足していると発言しており、エクアドル、チリ、アルゼンチンなどが既に導入したサーモグラフィーによる体温監視カメラもなく、最低でもこれらの設置をするべきだと訴えている。

(設楽隆裕)

(ペルー)

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