シンガポール政府、入国停止の対象をイタリア、フランス、スペイン、ドイツに拡大

(シンガポール)

シンガポール発

2020年03月17日

シンガポール政府は3月15日午後11時59分から、欧州での新型コロナウイルス感染者拡大を受け、イタリア、フランス、スペイン、ドイツに過去14日間渡航した人について、国籍を問わず、原則として入国を停止する。同国はこれまでに、中国、イラン、イタリア北部、韓国からの渡航歴者の入国を停止しており、対象を拡大する。なお、国民(永住権者を含む)と、就労ビザや学生ビザを含む長期滞在パスの保有者については、規制対象国から帰国後14日間の自宅待機が通告される。

一方、政府は国民に対し、イタリア、フランス、スペイン、ドイツへの不要不急の渡航延期を勧告した。既に全ての渡航の延期を勧告している中国湖北省、そして不要不急の渡航延期を勧告している湖北省を除く中国全土、イラン、日本、韓国については、勧告内容に変更はないとしている。

また、同国では3月4日から、入国時に発熱、呼吸器疾患などの症状がある場合、唾液などを採取するスワッブテストの受診が義務付けられている。政府は追加措置として同月13日から、スワッブテストで感染が確認されなくても、14日間の自宅待機を通告する。このほか、同月13日からは、全てのクルーズ船の寄港を停止する。

250人以上のイベントは延期・中止へ、雇用主に社内感染防止策の導入を呼びかけ

さらに、政府は、国内での感染拡大のリスクを抑制するための追加措置を発表した。政府は、250人以上が参加するスポーツや娯楽、文化的な有料イベントについて延期か、中止を求めた。また、プライベートな集会や宗教的な集まりの主催者に対して、参加者を可能な限り250人未満とし、体温検査や混雑の緩和、参加者の連絡先の把握などの予防策を講じることを求めている。

また、政府は職場での感染リスクを抑制するため、雇用主に可能であれば在宅勤務、ビデオ会議、時差通勤、オフピーク通勤の導入を勧告した。このほか、会議室や仕事場についても濃厚接触を避けるため、席と席との間を空けるよう求めた。

(本田智津絵)

(シンガポール)

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