米国がスーダンの157社・団体への制裁を解除、SDNリストから除外

(スーダン、米国、エジプト)

中東アフリカ課

2020年03月30日

3月4日の国営スーダン通信(SUNA)の記事によると、スーダン中央銀行(CBOS)は、米国財務省外国資産管理局(OFAC)が2月25日付の書面で、大統領令13067/13412号により科していたスーダンに対する経済制裁の解除を通知したと発表した。在日スーダン大使館も3月5日、この内容をジェトロに明らかにした。

CBOSのバドゥルエディン・アブドゥルラヒム・イブラヒム総裁は声明の中で、OFACから確認書を受領したことに言及した。これにより、スーダンの157社・団体がOFACのSDNリスト(注)から除外された。当該企業・団体にドル建ての送金を行う際に規制から外れることとなり、取引上の制限が緩和される。米国財務省の書面によると、この措置はスーダン政府の国内紛争解決の取り組み、人権の改善、地域におけるテロ対策での米国への協力が背景としている。一方で、ダルフール関連の制裁数件は引き続き維持される。

現地報道では、2019年4月に当時のオマル・バシール大統領が失脚し、その後の経済再生への政府の取り組みが評価されたとの見方もある。

スーダンとのビジネスに取り組む日本企業はまだ多くはないものの、これまでも同国のタマネギやゴマなどの農産品に着目し、可能性を模索する動きなどが見られた。前述のバシール大統領失脚後の国内の混乱で、そうした動きは停滞傾向だったものの、3月2日にはビザ(米国)がクレジットカード決済でスーダン参入を決めたと現地紙が報じるなど、外資企業の動きもある。引き続き米国務省のテロ支援国家の指定が解除されていないものの、今回の措置が今後のビジネスに影響を与えるか注目される。

(注)Specially Designated Nationals and blocked Persons。米国大統領が国家の安全を脅かすものと指定した国や法人、自然人のリスト。

(小松崎宏之)

(スーダン、米国、エジプト)

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