中国からの渡航者を重点検査、日系メーカーは部品輸入の途絶を懸念

(パキスタン)

カラチ発

2020年03月12日

パキスタンでは2月26日に初めて2名の新型コロナウイルス感染者が確認されて以来、空港での入国時の検疫を強化している。現状では日本人、韓国人を対象とした入国拒否などは行われていないが、国籍によらず、入国時の検査では(1)熱などの症状が出ているか、(2)過去14日間旅行をしていたかが重点的に確認される。特に中国からの渡航者については重点的な検査が行われている。

現状、日系自動車メーカーの生産に影響はでていないが、中国から輸入している部品も多く、中国での生産が止まっているため、部品在庫が尽きると影響が大きい。当地のある自動車メーカーは、「3月いっぱいは在庫部品で対応できるが、それ以降は厳しい。簡単に代替品を確保できるものでないので、悩ましい状況」と語った。

シンド州では教育施設の閉鎖も

パキスタンの感染者数は3月12日時点で20人となっている。3月11日にイタリア在住のパキスタン人が死亡し、新型コロナウイルスを原因とするパキスタン国籍者初の死者となった。なお、パキスタン最大都市であるカラチ市があるシンド州では、新型コロナウイルス感染を封じ込めるために、州内すべての教育施設を3月1日から3月13日まで閉鎖している。

(山口和紀)

(パキスタン)

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