2019年は約160億ドルの貿易黒字も、輸入が大きく減少

(アルゼンチン)

ブエノスアイレス発

2020年02月10日

国家統計センサス局(INDEC)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)は1月23日、2019年のアルゼンチンの貿易額(通関ベース)を発表した。輸出は前年比5.4%増の651億1,500万ドル、輸入は25.0%減の491億2,500万ドルとなり、貿易収支は159億9,000万ドルの黒字になった(図1、2参照)。貿易黒字額は2009年以来最大となったが、これは輸入が大幅に減少したためだ。

図1 年間輸出入額の推移
図2  2018年1月~2019年12月の輸出入額

2019年の品目別輸出をみると、一次産品に分類される油糧種子、農業関連製品に含まれる肉類および副産物、食物油脂の輸出増加が顕著だった(表1参照)。主要輸出品の大豆、トウモロコシの輸出も増加した。2018年/2019年度(2018年3月~2019年2月)の生産量が、大干ばつに見舞われ不作だった2017/2018年度から回復したためだ。一方、工業関連製品は減少した。

輸入を品目別にみると、年率50%を超えるインフレと高金利で2019年は景気後退に陥ったことを背景に、消費財はもとより中間財から資本財に至るまでほぼ全ての品目で減少した(表2参照)。

表1 2019年の品目別輸出額
表2 2019年の品目別輸入額

主要国・地域別に輸出をみると、金額の大きい順に、ブラジル(103億8,600万ドル)、中国(70億5,800万ドル)、米国(41億400万ドル)、チリ(30億5,800万ドル)、ベトナム(28億800万ドル)となった。輸入をみると、ブラジル(101億5,900万ドル)、中国(92億6,700万ドル)、米国(62億7,400万ドル)、ドイツ(27億6,600万ドル)、パラグアイ(16億4,700万ドル)の順に輸入額が大きい。

なお、対日本貿易については輸出額4億5,300万ドル、輸入額8億9,500万ドルとなった。

(津下みなみ)

(アルゼンチン)

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