香港宛て国際郵便物が遅延、日本~香港間のフライト減便・運休が増加

(香港)

香港発

2020年02月21日

新型コロナウイルスによる肺炎(以下、新型肺炎)の影響などにより、日本から香港特別行政区(以下、香港)宛ての国際郵便物の配送が通常よりも大幅に遅延する事態が続いている。東京から香港への通常郵便物(航空便)を配送の標準日数は5日(注)だが、ジェトロが実際に郵送したところ、2週間以上を要した。また、1月30日に福岡県の郵便局で荷物の配送手続きを完了したところ、香港に届いたのは18日後の2月17日だった。

日本郵政グループや香港政府の郵便事業体である香港郵政の発表によると、日本から香港宛ての国際郵便物の引き受けが急増し、税関手続きなどに時間がかかっているという。

香港郵政は2月10日、日本から香港宛ての郵便物の増加により、配達が1週間以上要することに加え、各航空会社がフライトを減便した場合、さらに長くかかる可能性があると明らかにした。日本郵便も2月13日、新型肺炎の拡大の影響により、香港での郵便物の処理が一時中断される可能性があると発表した。

日本郵便のお客様サービス相談センターは「2月19日時点でも日本および香港側の手続きに時間を要する状況が続いており、香港宛てのEMS(国際スピード郵便)や通常郵便物の配送に遅延が生じている。今後については、日本~香港間のフライトの運航状況にも左右されるため、当社ウェブサイトで最新の状況を確認してもらいたい」と説明している。

新型肺炎の感染拡大を受けた航空需要の減少などの影響により、日本~香港間を運航する各航空会社では、減便や運休の対応を講じている(表参照)。今後の各航空会社の対応によっては、日本~香港間の郵便物の配送日数にさらなる変更が生じ得るため、留意が必要だ。

表 日本~香港間の主な航空会社のフライト減便・運休の状況(2月19日時点)

(注)東京から香港へ通常郵便物を航空便で郵送する場合の標準日数(出所:日本郵便ウェブサイト)。

(吉田和仁)

(香港)

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