カナダでの感染者は4人、政府は在湖北省カナダ人帰国のチャーター機を用意

(カナダ)

トロント発

2020年02月04日

新型コロナウイルスの感染拡大をめぐり、カナダでは、1月27日にオンタリオ州で同国で初の感染者が確認されて以降、1月28日にブリティッシュ・コロンビア州で、武漢に滞在していてカナダに帰国した男性が陽性と確認されるなど、1月31日現在、カナダ全土で確認された症例は合計4件となっている。

カナダ・グローバル連携省は、渡航先の国・地域について、レベル1から4に分けて安全情報を提供しており、現在、中国に対してはレベル3「不要不急の旅行をやめる」としているが、武漢市のある湖北省についてはレベル4「渡航をやめる(渡航中止勧告)」外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますとしている。

カナダ最大の航空会社エア・カナダは、カナダの主要都市から北京、上海に直行便を運航しているが、1月30日から2月29日までカナダと両市を結ぶ便を欠航すると発表している。一方、シャンパーニュ外相、ハイデュ保健相、サージャン国防相は2月2日、「湖北省にいるカナダ人を避難させるためのチャーター機を用意しており、中国政府の着陸許可が降り次第、チャーター機を武漢に向かわせる」「帰国するカナダ人は到着後、トレントン空軍基地で14日間のさらなる医療評価と観察を受けることになる」との声明を連名で発表した。

カナダの感染者に関しては、トロントのサニーブルックス病院健康科学センターが、1月27日にカナダで最初の新型コロナウイルス感染者と確認され、同病院で隔離・治療を受けていた50代の男性が退院したと、1月31日に発表した。この男性は、1月22日に武漢からトロントに到着した後、体調不良を訴え同病院に入院していた。同病院によると、1週間の入院・治療の結果、男性はケアの必要のない状態に回復したが、退院後もしばらくは自宅に隔離され、同病院とトロント保健所による経過観察を受ける。また、この男性の妻も新型コロナウイルスについて陽性と確認されたが、症状が現れていないため、発症した場合の対処方法などを保健所から指示された上で、自宅において経過観察を受けている。

(酒井拓司)

(カナダ)

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