新型コロナウイルスの感染が拡大、国境閉鎖も始まる

(イラン)

テヘラン発

2020年02月26日

イラン国内で、新型コロナウイルスの感染が拡大しつつある。イラン保健省は2月19日、イラン中部の都市ゴム市において、新型コロナウイルスの検査で陽性反応が出たイラン人2人が死亡したが、同省の2月25日付の発表によると、イラン国内における感染者数は95人、うち死亡者は15人と感染が拡大している。同24日付の発表では経過観察者数は916人となっており、さらなる感染拡大も不安視されている。

同省や専門家らは、新型コロナウイルスの感染予防対策として、せっけんでの手洗いは非常に効果的であること、あいさつ時のハグ・キスや握手などを控えること、人混みは避けることなどを推奨しているほか、過度な心配は不要なことも発表していたが、首都テヘランやゴム市を含む国内19州(全32州中)で学校・大学などが休校となり、映画館やイベントなども休止措置が取られている。

こうした状況を受けて、イランとの国境を有するトルコやイラク、アフガニスタンなどの近隣諸国はイランとの国境を閉鎖した(アゼルバイジャンとの国境は閉鎖されていない)。また空路については、ターキッシュエアラインズ、エミレーツ航空、カタール航空はイランへの運航を取りやめた。イラン系航空会社は運航しているものの、イラン人の周辺国への入国は制限されているもようだ(注)。この状況が長引けば、人の往来や物流への影響も懸念される。

(注)国境や航空便に係る情報は2月24日現在のものだが、情報は流動的なため、実際の出入国に際しては航空会社などに最新状況を確認すること。

(中村志信)

(イラン)

ビジネス短信 e7fd684439fc82a2