新型コロナウイルス、湖北省など特定地域からの人の流入を禁止する地域も

(中国)

北京発

2020年02月10日

新型コロナウイルスの累計感染者は、中国全土で4万171人(2月10日午前0時時点、以下同)となり、前日に比べ3,062人増加した(添付資料参照)。湖北省での感染者は2万9,631人に達し、全体の73.8%を占めた。広東省(1,151人)、浙江省(1,092人)などでも引き続き感染が拡大している。中国全土の死者は908人(前日比97人増、うち湖北省が91人)、退院した感染者は3,281人となった。

本格操業再開を控え、江蘇省の複数都市で湖北省などからの人の流入を禁止

春節延長期間の終了による本格的な操業再開を控えて、感染拡大防止のため、指定した地域からの人員の帰還・流入について一時見合わせるよう求める通知が、江蘇省揚州市や無錫市、泰州市など複数の都市において発表されている。

無錫市の通知では、新型コロナウイルスが流行している重点地域(湖北省、浙江省、広東省、河南省、湖南省、安徽省、江西省)から来る労働者について、同市へ入るのを見合わせるよう求めている(注)。こうした措置は、労働者や従業員などの職場復帰に影響するため、今後他地域にも拡大するか、動向を注視する必要がある。

居住区の封鎖式管理を実施する都市が増加

また、小区(居住区)において、住民の出入りを通行証などで厳重に管理する封鎖式管理を実施する都市が多くある。広東省広州市や深セン市、上海市、北京市、重慶市、四川省成都市などだ。一部の都市では、2日おきに各家庭1人のみ買い物のための外出を認めるなど、外出できる日や人数を制限する措置も出されているほか、居住区の管理当局から出勤を控えるよう要請され、従業員の勤務に支障が出るケースもあるとされている。

(注)無錫市の発表によると、上記7省から来る人員については一律で同市への流入を禁止し、それ以外の省の人員の流入については、同市に住居があること、暫定居住登記あるいは同市の身分証があること、操業再開感染防止措置の検査に合格した企業リストに搭載されること、などの条件を満たす必要がある。また、外国人の流入については、有効な身分証明書を持ち、前述の企業リストに記載があり、かつ14日以内に7省での滞在・旅行、接触歴などがない、などの条件を満たす必要がある。

(小宮昇平)

(中国)

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