ラオス南部ダクタオーク国際国境が近くオープン、ベトナム・ダナンとの結節点に期待

(ラオス、ベトナム)

ビエンチャン発

2020年02月18日

ラオス政府とベトナム政府は2019年12月25日、ハノイで開催された第29回ラオス・ベトナム国境委員会会議において、2020年第1四半期(1~3月)をめどに、ラオス南部のセコン県ダクチュン郡ダクタオーク国境/ベトナム中部クワンナム省ナムザン郡ダクタオーク国境を国際国境として開通することに合意した。本会議は、2,069キロの国境を、接する両国の国境管理について協議を進めているもので、両国の外相が委員長を務める。現状は、地方国境という位置付けとなっており、ラオスとベトナム国籍者のみの出入国と、小口の商品輸送だけが認められているにすぎなかった。

同国境は、ラオス南部とベトナム中部を結ぶ重要な結節点で、ラオスの国道16号B線とベトナムの国道14号D線を経て、ベトナム中部の都市ダナンに接続する(表、図参照)。特にラオス南部の中心都市であるパクセーから、農業の盛んなボラベン高原を経て、ベトナム中部のダナンまでが400キロで結ばれることになる。現状では、国際商品輸送や外国人の移動には本国境を通過することができず、パクセーからダナンへの接続は北に大きく迂回し、東西経済回廊を経由することになり690キロの距離を要している。

本ルートは、ラオス南部においてとりわけ重要なインフラで、国際国境となった後、特に農産品や観光のルートとして期待される。なお、国道16号B線のセコン川の横断については、2019年2月に日本の無償資金協力21億9,700億円でセコン橋(橋長約300メートル)が完成している。

表 ラオスとベトナム間の既存の国際国境
図 ラオス南部とダクタオーク国境

(山田健一郎)

(ラオス、ベトナム)

ビジネス短信 de2e30a80a438775