1月の米失業率が3.6%と前月から上昇、雇用者数の増加幅は拡大

(米国)

ニューヨーク発

2020年02月18日

米国労働省が2月7日に発表した2020年1月の失業率は3.6%(表1参照)と、市場予想(3.5%)を上回った。就業者数が前月から8万9,000人減少し、失業者数が13万9,000人増加した結果、失業率は前月(3.5%)より0.1ポイント上昇した。労働参加率(注)は63.4%と、前月(63.2%)から0.2ポイント上昇した。

適当な仕事がみつからずに職探しを断念した者や、不本意ながらパートタイム労働に従事する者(経済的理由によるパートタイム就業者)などを含めた、広義の失業率(U6)をみると、前月から0.2ポイント上昇して6.9%となった。こうした中、平均時給は28.44ドル(2019年12月:28.37ドル)と、前月比0.2%増(0.1%増)、前年同月比3.1%増(3.0%増)となった。

表1 米国の雇用統計(2020年1月速報)

1月の非農業部門の雇用者数の前月差は22万5,000人増で、市場予想(16万3,000人増)を上回るとともに、前月(14万7,000人増)と比べて増加幅が拡大した。2019年12月から2020年1月への雇用増加の内訳をみると、製造業は1万2,000人減となった一方で、サービス部門が17万4,000人増となった(表2参照)。製造業では、自動車・同部品(1万600人減)や食品製造業(3,100人減)などが減少した。サービス部門では、教育・医療サービス業(7万2,000人増)や娯楽・接客業(3万6,000人増)などを中心に増加した。

表2 主要業種別雇用増加数(前月差)の内訳(2020年1月速報)

バンク・オブ・アメリカ・メリルリンチの米国担当チーフエコノミスト、ミシェル・メイヤー氏は、失業率が歴史的低水準で推移する中でも雇用の増加ペースが低下しておらず、労働市場には「需要だけでなく、その需要を満たすだけの供給もあり、非常にポジティブな状態にある」と指摘した(「ニューヨーク・タイムズ」紙電子版2月7日)。

(注)労働参加率は、生産年齢人口(16歳以上の人口)に占める労働力人口(就業者+失業者)の割合。

(権田直)

(米国)

ビジネス短信 dbc96a778a51e78e