韓国大統領、新型コロナウイルス感染が拡大する大邱市で対策会議を開催

(韓国)

ソウル発

2020年02月27日

韓国では、2月19日を境として新型コロナウイルスの感染が急増、感染者数は累計で1,261人(2月26日午後4時時点)となっており、特に大邱(テグ)市、慶尚北道地域での感染者数増加が目立っている(添付資料表1、2参照)。こうした急速な拡大を受け、韓国政府は2月23日に中央災難安全対策本部を立ち上げ、感染防止に注力している。

文在寅大統領は2月25日、感染者が急増している大邱市を訪問、「新型コロナウイルス対応のための大邱地域特別対策会議」を開催した。会議には文大統領をはじめ、兪銀惠社会副首相兼教育部長官、陳永行政安全部長官、朴凌厚保健福祉部長官、権泳臻大邱市長らが参加した。

会議で文大統領は、大邱・慶尚北道について「非常事態とみている」とし、「大邱だけの問題ではなく、大韓民国および国民全体の問題だと考えており、そのような姿勢で政府が取り組んでいる」と述べた。また、新型コロナウイルス感染者の急増に伴い、入手困難となっているマスクについて「需要に応える十分な生産能力がある」とし、「昨日も大邱に100万枚、今日はそれより多くのマスクが届く。マスクの海外輸出を10%に減らし、公共機関が物量を確保することで、市民らが身近なところで購入できるようにする」と述べた。

さらに、大邱・慶尚北道地域の経済問題と関連して、文大統領は「政府として、可能な限り全ての方策を講じる」とし、「行政安全部の特別交付税を大幅に増額し、補正予算を通じてさらなる財源を確保する」と説明した。

文大統領の発言を受け、権大邱市長は、マスク500万枚の支援を依頼するとともに、新型コロナウイルス感染拡大の原因とされている宗教団体「新天地イエス教」の信徒について、「大邱に住む自己隔離中の信徒8,269人に対し全数調査を実施中で、早期に診断検査を完了する。また警察と協力し、調査拒否者については厳罰に処す」と明らかにした。

(藤本和彦、申守智)

(韓国)

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