新型コロナウイルスの感染拡大、華東地域の日系企業にも大きな影響

(中国)

上海発

2020年02月06日

新型コロナウイルスの感染が引き続き拡大しているが、華東地域でも2月6日午前0時時点で、浙江省(954人・前日比59人増)、安徽省(591人・同61人増)、江蘇省(373人・同32人増)、上海市(254人・同21人増)で感染が広がっている。この中でも浙江省温州市や杭州市、台州市、寧波市などで患者数が100人を超え、都市によっては人や車両の出入りを制限する動きも出ており、2月10日予定の操業開始への影響が懸念されている。

ジェトロはこのような状況を受け、華東地域の日本商工倶楽部などの協力を得て、2月4日までに華東地域にある日系企業440社に状況や影響を確認することができた。

その内容をまとめると、現地駐在員らの安全確保について77.3%の回答企業が「マスクや消毒液などの物的支援を実施・検討」しているほか、駐在員の家族、駐在員や出向者の退避を実施・検討している企業も多いことが分かった(表1参照)。

表1 中国全土における駐在員・出向者・家族の安全確保などについて(複数回答、N=440)

また、日本から湖北省および中国への出張、湖北省および中国から日本への出張については、多くの企業で不要不急の出張の自粛、禁止を行っていることが分かった(表2、表3参照)。

表2 日本と湖北省間の出張(複数回答、N=440)
表3 日本と中国間の出張(複数回答、N=440)

イベントなどについても、2月に実施予定のもので、企業の半数近くが「既に延期や中止を決定したイベントがある」と回答し、3~4月に実施予定のイベントでは、6割以上の企業が開催について「今後検討」としていることが分かった(表4参照)。

表4 イベントなどの延期・中止(N=440)

事業への影響に関しては、2月9日までの操業停止による影響がある、あるいは今後影響が予想されるとの回答が6割を超え、約4分の1の企業が「湖北省封鎖による影響がある」と回答した(表5参照)。

表5 事業への影響について(複数回答、N=440)

(高橋大輔)

(中国)

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