口コミサイトYelp、飲食店の衛生検査結果をロサンゼルスとシカゴで警告表示

(米国)

ロサンゼルス発

2020年02月05日

飲食店などの口コミ情報サイト米国大手のイェルプ(Yelp)は1月22日、ロサンゼルス郡とシカゴ市の食品衛生検査結果(ヘルススコア)が悪い飲食店について、利用者向けに警告表示を始めた。

イェルプは、飲食店や小売店、美容室などの地元ビジネス情報を提供するサービスで、月平均のウェブサイトの閲覧数は9,130万件(2019年9月時点)に上る。ユーザーは利用店舗を星1~5で評価することや写真とレビューを投稿することができる。これまでも飲食店のヘルススコアは評価項目の1つとして掲載されていたが、1月22日からは、ユーザーがスコアの悪い店舗情報のレビューを閲覧しようとすると、「Consumer Alert:Low Food Safety Score!(消費者アラート:低い食品安全スコア!)」という警告文が、ポップアップ表示されることになった(注)。この警告表示は、米国内では2015年からサンフランシスコで実証実験がされており、対象都市が拡大されたかたちだ。

飲食店の食品衛生検査は、地元衛生局が定期的に実施している。ロサンゼルス郡の場合、結果に応じてグレードA(90~100点)、B(80~89点)、C(70~79点)および、それ以下(69点以下は点数のみ)で表示される。検査結果は公表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますされており、飲食店は次回の検査まで、検査結果を衛生局が指定する顧客から見えやすい位置に掲げなければならない。イェルプでは当局の検査結果に基づき、グレードC以下の店舗(1月28日現在で約70店舗)を警告表示の対象とした。

シカゴ市の場合、衛生局検査では合格(Pass)、条件付き合格(Pass with Conditions)、不合格(Fail)などが公表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますされるが、イェルプでは当局検査などを基に、データ専門会社が作成した100点満点のスコアを掲載している。「シカゴ・トリビューン」紙(電子版1月22日)によると、過去6カ月間の検査結果のうち、下位1%の店舗(約30店舗)が警告表示の対象となる。

イェルプ上級副社長のビンス・ソリット氏は、1月22日のNBCロサンゼルスの取材に対して「アラートの目標は、消費者への警告とともに、事業者に清潔さや衛生状態の改善を促すインセンティブを提供することだ」と話した。

(注)サービス使用言語が日本語の場合は、ポップアップではなく、画面上方に「ヘルススコア警告」が表示されることを確認した。

(北條隆)

(米国)

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