深セン市、新型コロナウイルス感染による肺炎流行に対する企業支援策16条を発表

(中国)

広州発

2020年02月10日

深セン市政府は2月8日、「新型コロナウイルス感染による肺炎流行に対応し企業を支援しともに難関を乗り越える若干の措置外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」を発表した。全16条から成り、有効期限は2020年12月31日まで。具体的な内容は以下のとおり。

家賃・社会保障費の減免、タクシーへの運営補助などの16条

(1)新型コロナウイルス対策関連重点企業への支援〔2月1日~3月31日に行われた関連設備投資額のうち最大50%、2,000万元(約3億2,000万円、1元=約16円まで)〕、(2)政府・国有企業所有物件や高度人材向け物件の2カ月間の家賃減免、(3)社会保険費の支払い期限延長、(4)住宅積立金比率の引き下げ(3%まで引き下げ可能)、(5)汚水処理費用の補助(新型コロナウイルスの影響を受けている企業に、6カ月間の都市汚水処理費を還付)、(6)電気代コスト低減、(7)各種納税手続き期限延長・減税、(8)キャッシュフロー安定化に向けた支援(返金期限の延長など)、(9)融資コストの低減(金融サービスや資金調達にかかる各種手数料の減免、利息の引き下げなど)、(10)産業資金の傾斜(政府の産業資金による中小企業の利息補助など)、(11)数千億元規模の財政政策を通じた、資金繰りが困難となった優良な中小企業への資金面での支援、(12)都市の公共交通機関運営を保障(タクシー1台当たり毎月1,000元の政府補助、営業距離などの条件を満たしたタクシー運転手には毎日50元の奨励金支給など)、(13)失業保険への補助、(14)社員に対する柔軟な勤務管理(年休取得への柔軟な対応など)、(15)従業員研修育成補助金の引き上げ(1人当たり900元から1,500元へ、技能研修は1人当たり1,400元から2,000元へ引き上げ)、(16)輸出信用保険サービス(賠償条件の緩和、影響を受けた企業の優先処理など)。

支援は600億元規模に

深セン市発展改革委員会の聂新平主任は、「今回の支援策により、新型コロナウイルス流行の影響を受けている深セン市企業への支援は600億元規模となり、うち財政支出は100億元を超える。活動再開の準備ができてない企業は、焦らずに安心して活動再開の準備をしていただきたい。今回の支援策は(1)全国各地の支援策を参考にした点、(2)類似の政策に比べ、支援水準と範囲を向上した点、(3)深センオリジナルのイノベーティブな支援策を盛り込んだ点が特徴だ」とした(「深セン衛視深視新聞」2月8日)。

(張琳荷、河野円洋)

(中国)

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