初の預金保護制度導入へ、銀行監視の強化も

(ニュージーランド)

オークランド発

2020年02月17日

ニュージーランドのアーダーン政権は、2020年半ばまでに、同政権で2回目のニュージーランド準備銀行(RBNZ、中央銀行に相当)法の改正を目指す。ロバートソン財務相は2019年12月18日、閣議決定した同法の改正内容(フェーズ2)を発表した。銀行への監視を強化するほか、金融機関ごとに預金者当たり5万ニュージーランド・ドル(約355万円、NZドル、1NZドル=約71円)の預金保護制度を導入することなどが含まれた。

ロバートソン財務相は「RBNZ法が制定されて約30年が経過した。現在の金融や世界情勢に合せる必要がある」として、現政権の任期である2020年半ばまでの改正を目指している。

2回目の改正となるフェーズ2の内容は、2020年初めに技術的な細部の検討や審議が図られるもよう。2019年6月にロバートソン財務相が預金保護制度に言及した際には、3万NZドルから5万NZドルの幅で検討するとしていた。財務相によると、5万NZドルであれば預金者の約9割がカバーされるという。ニュージーランドの銀行は安全面や健全面で一定の評価があるが、これまで預金保護制度がなかったため、OECDやIMFから、金融危機に際して銀行システムが脆弱(ぜいじゃく)になるとの可能性が指摘なされていた。

フェーズ1は2018年12月に成立し、2019年4月1日から施行されている。フェーズ1では、金融政策委員会(MPC、Monetary Policy Committee)が設立された。同年5月に1.75%から1.50%へ改定された政策金利は、MPCによる合議制での初の決定だった。

(奥貴史)

(ニュージーランド)

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