新型コロナウイルスの情報を公式アプリで配信、フェイクニュース対策も

(ベトナム)

ハノイ発

2020年02月13日

ベトナム保健省によると、国内における新型コロナウイルスの感染者は2月11日時点で15人となった(表参照)。2月4日時点では10人の感染が確認されていたが(2020年2月5日記事参照)、それ以降、生後3カ月の乳児を含め、感染者の親族内で新たな陽性事例が見つかるなど、感染者は5人増加した。感染者はそれぞれ病院で治療を受けており、既に6人が完治し、退院している。また、感染の疑いがある者のうち、788人が検査で陰性と判明したが、64人は隔離して監視下に置かれている。

表 ベトナム国内における感染者(2月11日時点)

保健省は2月8日、正確で迅速な情報提供をするため、新型コロナウイルスの情報をまとめた公式アプリ「Suc khoe Viet Nam(ベトナムの健康)」を公表した。このアプリは、ベトナムの通信大手ビッテル(Viettel)が保健省からの依頼を受け、6日間で完成させたもの。新型コロナウイルスに関する最新情報や予防方法を確認できるほか、症状の自己診断やホットラインの機能も有している。最寄りの病院情報を検索することもでき、感染の可能性がある場合には、情報を登録することで、適切な隔離措置などが案内される。なお、アプリと同様の情報は、保健省の特設ウェブサイト外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますでも確認することができる。

虚偽情報を排除する取り組みも進められており、2月2日付「VNエクスプレス」の報道によると、新型コロナウイルスに関するフェイクニュースを拡散したとして、同日時点で9人以上が罰金を科された。SNSの「フェイスブック」や「ザロ」に、感染者隔離状況などの誤った情報を投稿または拡散したとして、それぞれ1,000万~1,250万ドン(約4万7,000~約5万8,750円、1ドン=約0.0047円)の罰金刑となった。

グエン・マイン・フン情報通信相は、新型コロナウイルスに関する虚偽情報は、公衆の不安を招いて当局の対応に悪影響を及ぼすと述べ、国内の通信やIT関連の企業にフェイクニュースの排除を促した。また、政府関連機関に対し、フェイスブックやグーグルと連絡を取り、フェイクニュースを拡散するアカウントの閉鎖を求めるよう指示した。

(庄浩充)

(ベトナム)

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