新型コロナウイルスは電気・電子部品業界を中心に影響

(ブラジル)

サンパウロ発

2020年02月13日

新型コロナウイルスの影響を受け、ブラジルの各業界団体はビジネスへの影響が出始めていることを発表している。

2月7日付のブラジル電気電子産業協会(Abinee)の発表によれば、電気電子分野の企業を対象に実施した調査では、回答企業のうち52%の企業が新型コロナウイルスの影響で「部材の調達に問題が生じている」と回答した。とりわけ携帯電話やコンピュータ分野の企業による回答が目立った、としている。22%の企業は、「この状況が続けば、この先数週間で製造活動をストップせざるを得ない」と回答しており、「まだ影響を受けていない」と回答した企業でも、「今後20日間状況が改善しない場合は従来の製造ペースを維持することが難しい」と回答した。同協会のウンベルト・バルバット会長は「業界への製造活動への影響を大変心配しており、企業と密に連携して状況を見守っている」と説明した。

また、2月6日付の現地紙「エスタダオ」によれば、ブラジル機械・装置輸入業者協会のエニオ・クリスピーノ会長は「中国製品の輸入に依存しているブラジルの産業は打撃を受ける」とし、「ブラジルの大企業の中では生産の見直しや他国のサプライヤーを探すため、中国のサプライヤーに納入遅延の可能性についての説明を依頼した企業もいる」と述べている。

ブラジル自動車製造者協会(ANFAVEA)のルイス・カルロス・モラエス会長は、「部品によっては3カ月から4カ月の在庫があるため、すぐに影響が生じる状況は避けられる」と楽観視する一方、「中国製の部品はさまざまなサプライチェーンに組み込まれていることから、中国のサプライヤーだけでなく、間接的に影響があると思われるほかのアジア諸国のサプライヤーとの関係についても確認する必要がある」との懸念も示している。

なお、2月11日時点でブラジル国内での感染者は確認されていない。

(古木勇生、高橋ルシア)

(ブラジル)

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