北京市、全ての帰京者に14日間の自宅観察など義務付け、拒否者には法的罰則も

(中国)

北京発

2020年02月17日

北京市新型コロナウイルス肺炎予防・抑制工作領導小組弁公室は2月14日、「ウイルス流行予防・抑制期間における帰京者への関連要求のさらなる明確化に関する通告」を発表した。

それによると、2月14日から全ての帰京者は北京到着後、14日間の自宅観察もしくは集中観察を行わなければならないとされた。また、北京に戻る前に、事前に北京に所在する事業主および居住する社区(村)に報告しなければならないという。なお、自宅観察や集中観察を受けるなどの予防や抑制措置を拒否した場合、法にのっとって責任を追及するとした。

この通知に関しては、「全ての帰京者」に外国人も含まれるのかといった点や、自宅観察や集中観察の具体的な要件などがはっきりと示されていない。そのため、2月15日時点では、北京市の外国人が多く居住するサービス・マンションでも入居者に対する同措置の強制の度合いなど、運用のばらつきがみられる状況だ。

2月15日に開催された国務院新聞弁公室の記者会見において、国家衛生健康委員会疾病予防・抑制局の責任者である賀青華氏は、同通知について外国から北京に戻ってきた人も対象になるかとの記者からの質問に対し、正面から回答せず、「この政策は北京市が現地の感染予防や抑制活動上の必要性があって打ち出したもので、北京市は帰京者の経路が明らかでないといった点を考慮したと思う」との趣旨の発言をした。

また、北京市新型コロナウイルス肺炎予防・抑制工作領導小組弁公室は2月15日、第25回の会議を開催し、首都の感染予防や抑制は特別に重要で、感染を厳重に防ぎ、死守しなければならないとの方針を示した。なお、帰京者に対する14日間の自宅観察もしくは集中観察については、「関連の政策をより詳細化し、しっかりと解説しなければならない」とした。

在中国日本大使館は2月15日、ウェブサイトにおいて同通告の内容に関する情報外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを掲載した。それによると、「同通告に関しては不明な点も多いため、現在、在中国日本国大使館が中国政府および北京市政府に不明点を確認中」としている。また、「確認できた内容については追って領事メールなどでお知らせする」としつつ、「これから北京市に戻られる方や訪問予定の方は、お住まいのマンション・公寓(こうぐう、アパート)や不動産会社、滞在予定のホテルに確認する」など、情報収集に努めるよう呼び掛けた。

(藤原智生)

(中国)

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