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EU首脳、ブレグジット後の中期予算案合意できず、欧州議会なども予算案批判

(EU、英国)

ブリュッセル発

2020年02月25日

EUの多年度財政枠組み(MFF)をめぐる特別欧州理事会(EU首脳会議)が2月20、21日にブリュッセルで開催され、欧州理事会のシャルル・ミシェル常任議長は閉会後の声明外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますで、2021~2027年のEU予算案について合意できなかったことを明らかにした。英国のEU離脱(ブレグジット)後初のEU首脳会議として注目されたが、これまでEU予算に対して多大な財政を負担してきた英国の離脱に伴い、600億~750億ユーロ相当の予算不足に直面、協議は決裂した。今回の特別欧州理事会に先立ち、欧州議会が2月19日付でMFF予算案に反対を表明。EU共通農業政策(CAP)予算の削減を迫られていた農業部門の権益を代表する欧州最大の農業協同組合・農業生産者団体であるCOPA-COGECAなどからも激しい批判が出ていた。

ブレグジットに伴う財政縮小に反発強める欧州議会

ミシェル常任議長は「さまざまな利害や懸念、意見の調整に尽力したが、(合意には)さらなる時間が必要」との結論に達したと語った。今回のMFF予算案をめぐり、常任議長は数週間前から欧州議会との意見調整を進めてきたが、欧州議会は2月19日付の声明で予算案は有害な提案と指摘し、予算案は「農業や結束基金、研究開発、インフラ投資、デジタル化対応、中小企業対策などの多岐にわたる分野で支出削減を強行した」と述べ、「気候変動対策やデジタル化対応、国際社会でのプレゼンス強化などEUの目標実現のためには大型の財政出動に期待する欧州議会との溝が埋まらなかった」との認識を示した。

また、欧州議会予算委員会(BUDG)のMFF交渉チームは、今回の予算案をめぐる合意失敗について2月21日付の声明で、今回の予算案には「(大胆な支出・投資を認める)野心」と「(これまでの予算案との)一貫性」が欠けていると指摘、「政治的ビジョンを欠いた予算編成アプローチには同意できない」と述べ、EU首脳に合意に向けた協議継続を求めた。

COPA-COGECAは、農業生産者に対する補助金の財源となるCAPのMFF予算案が現行水準を下回ることについて、「全く受け入れられない」と2月19日付の声明で表明。CAP予算削減は「(家族経営モデルによる)農業部門の世代交代を危うくする」と批判し、農業部門へのリソース投入継続はEUの目標にかなうと畳み掛けた。

(前田篤穂)

(EU、英国)

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