国有(中央)企業傘下のメーカー、生産再開率が80%に、新型コロナウイルスは航空・旅行会社へ大きな影響

(中国)

北京発

2020年02月21日

新型コロナウイルスの累計感染者は、中国全土で7万5,465人(2月21日午前0時時点、以下同)、うち現在の感染者数は5万4,965人(前日比889人増)となった(添付資料参照)。湖北省での感染者は6万2,662人となり、全体の83.0%を占めた。このほか、広東省の感染者数は1,333人、浙江省は1,203人となっている。中国全土の死者は2,236人で、退院した感染者は1万8,264人となった。

湖北省以外の地域における、日ごとの新規感染者の増加数は258人となった。湖北省以外の地域では、2月4~19日に16日間連続で日ごとの新規感染者の増加数が減少していたが、再び増加に転じた。

国務院新聞弁公室は2月18日、国有資産監督管理委員会(以下、国資委)傘下の中央(国有)企業への新型コロナウイルス肺炎の影響や、生産・操業再開状況についての記者会見を行った。

会見において国資委の任洪斌副主任は、2月17日までに、中央(国有)企業傘下の2万社以上の生産型子会社の操業再開率が80%以上に達していることを明らかにした。特に石油化学、通信、送電・電力、交通運輸などの業種では、操業再開率が95%を超えているとした。なお、一部の中央(国有)企業が操業を再開していないことについて、それらの企業は新型コロナウイルス肺炎の感染の状況が深刻な地域に所在しており、企業が操業再開のための条件が暫定的に整わないことを理由として挙げた。

また、任副主任は、産業チェーンの末端や消費者に直接かかわる企業への影響が最も直接的で大きいとの認識を示した。具体的な例として、航空会社は大規模にフライトを停止しており、1月20日から2月13日までの期間に、3社の航空会社で1,300万枚のチケットのキャンセルがあり、搭乗率は約半分に下がったことを挙げた。旅行会社も観光スポットの閉鎖やホテルの閉鎖などにより、大きな影響を受けているとした。その一方で、新型コロナウイルス肺炎の影響は暫定的で、国資委が中央(国有)企業に課している生産・経営目標は変更しないという。

海外赴任に当たり、国内外で各14日間の隔離を義務付け

国資委の彭華岡秘書長によると、中央(国有)企業の海外人員の感染拡大防止のため、海外赴任人員については、国内(赴任前)、国外(赴任後)においてそれぞれ14日間の隔離措置を義務付けているとした。国家電投が海外へ派遣する人員について、同措置を既に実施した上でプロジェクト(工事)現場に赴任した事例が紹介された。一方、同措置が中央(国有)企業の職員の海外出張などにも適用されるのか否かに関しては言及がなかった。

(藤原智生)

(中国)

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