新型コロナウイルスの感染拡大、中国の自動車市場にも大きな影響

(中国)

上海発

2020年02月25日

新型コロナウイルス肺炎(以下、新型肺炎)の感染拡大の影響は各分野に広がっており、世界最大の自動車市場である中国でも、足元で大きな影響が出ている。

中国の新車販売は、1月には194万1,000台と前年同月比18.0%減と大幅な減少となった。中国自動車工業協会(CAAM)では、2020年の春節(旧正月)休暇が1月24~31日であり、2019年1月に比べて営業日が5日少なかったのが主な原因で、新型肺炎による影響は限定的との見方をしている。

2月以降の販売動向について、乗用車市場信息聯席会(CPCA)の発表によると、2月1~16日の乗用車販売台数は1日当たり2,249台となり、前年同期の販売台数2万9,090台の10分の1以下に落ち込んだ(表参照)。

表 1月~2月前半までの乗用車販売台数(1日当たり)

CPCAはまた、新型肺炎の影響で2月の乗用車販売台数は前年同期比70%減となり、1~2月の合計でも40%減に達すると予測している。さらに、乗用車販売が通年で100万台程度減少すると見込んでいる。

CAAMの付炳锋副会長は、2020年上半期の自動車販売台数は前年同期比10%以上落ち込むことを予想しており、3月までに新型肺炎の感染が効果的に抑制されれば、通年の販売台数は5%程度の減少に抑えられる(2019年の自動車販売台数は約2,577万台、5%は約129万台に相当)としている(「オートモーティブ・ニュース・チャイナ」2月17日)。また、CAAMとしては自動車関連の税金や金利、銀行の預金準備率の穏やかな調整などを政府に求めているとしている。

(高橋大輔)

(中国)

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