議会選挙で最大野党フエルサ・ポプラール党が大きく議席失う

(ペルー)

リマ発

2020年02月07日

ペルー全国選挙管理委員会(ONPE)は、1月26日に実施されたペルー議会(定数130)選挙で議席を獲得した政党は9党と発表した(1月30日の開票率99.61%時点)。2016年の現政権発足当時の議会で最大の73議席を誇った野党のフエルサ・ポプラール(人民勢力:FP)党は15議席と大幅に後退した。ケイコ・フジモリ党首の政治献金疑惑の影響による求心力の衰退を露呈した。

議席を大幅に伸ばしたのが野党中道派の政党だ。アクシオン・ポプラール(人民行動/AP)党は前回の5議席から25議席に、アリアンサ・パラ・エル・プログレッソ(進化のための同盟:APP)党は9議席から22議席となり、両党が上位の2党に躍進した。

主力左派のフレンテ・アンプリオ(解放戦線:FA)党は前回の20議席から9議席に減らした。2018年に離党したベロニカ・メンドサ元党首による党内分裂が影響したとみられる。当のメンドサ元党首は今回、左派のフントス・ポル・エル・ペルー(ペルーとともに:JPP)党と同盟を組んで立候補したものの、議席が与えられる得票率(5%)に達せず敗退した。マルティン・ビスカラ大統領の前任のペドロ・パブロ・クチンスキー氏の政党だったペルアーノス・ポル・エル・カンビオ(変革のためのペルー国民:PPK)は、議会解散前に多くが離反し、反ビスカラ大統領を掲げたコンティーゴ・ペルー(CP)党を組織したが、得票率1.07%の最下位という大敗を喫した。

ビスカラ大統領は自分の支持議員を選挙に投入するのではないかという野党側の警戒を牽制するため、自らの政党組織や支持議員の投入を一切しないことを宣言していた。

今回の選挙で特筆すべきは、初めて議席(15議席)を獲得した、福音協会を基盤とした中道左派のフレンテ・ポプラール・アグリコラ・フィア・デル・ペルー(ペルー農業人民前線:FREPAP)党や、2016年の大統領選に立候補したエコノミストのフリオ・グスマン氏を党首とするモラード党(9議席)などの台頭だ。さらに、13議席を獲得して14年ぶりに議会に復活した極左のウニオン・ポル・エル・ペルー(ペルーのための連合:UPP)党にも注目が集まっている。同党は、もともと中道右派として1994年に誕生したが、2005年にオジャンタ・ウマラ元大統領率いるナシオナリスタ・ペルアーノ(ペルー民族主義:PNP)党との連立で、インカ民族を主とする民族主義思想に傾倒するようになった。また、同党の当選議員には、ウマラ元大統領の弟で現在服役中のアンタウロ・ウマラ元ペルー軍少佐とともにかつて服役していた人物なども名を連ねている。

今回選出された議員の任期は現政権任期の2021年7月までと短い上、政党数も一院制となった1931年以降史上2番目に多い(注)ため、ビスカラ大統領がいかに議会との連携を構築していくか注目される。

(注)11政党を有した2001年の議会がペルー史上で最も政党数が多かった。

(設楽隆裕)

(ペルー)

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