韓国での新型コロナウイルス感染者急増への日系企業の対応策

(韓国)

ソウル発

2020年02月27日

韓国内での新型コロナウイルス感染の急拡大を受け、韓国に進出している日系企業も従業員の感染防止のため、さまざまな対応策を講じている。ジェトロが韓国進出日系企業にヒアリングしたところ、日本政府が発表した「新型コロナウイルス感染症対策の基本方針PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)」や韓国政府の感染防止基本方針(添付資料の4.参照)などを参考に対応策を実施しているとの回答が多かった。日系企業各社の対応事例は以下のとおり。

顧客訪問・出張関係は次のとおり。

  • 韓国国内出張は原則禁止(大邱市、慶尚北道は公私ともに訪問禁止)。
  • 海外出張(日本を含む)は、本社と調整し不要不急な出張は禁止(全面禁止の企業もある)。
  • 中国・日本出張から韓国へ帰国した者は、出社を制限し14日間自宅勤務。
  • 日本から韓国への出張禁止。
  • 代表者の許可を得て必要不可欠な出張を実施。
  • 大邱市、慶尚北道への営業訪問禁止。
  • 移動時も含め常時マスク着用、手洗い奨励。

顧客側でも、過去14日以内に中国、日本、大邱、慶尚北道訪問歴のある者の訪問は受け入れないと定めているケースが多い。

勤務体制は次のとおり。

  • 職場を閉鎖し、職員にパソコン、スマートフォンを支給した上で、在宅勤務。
  • 時差出勤の活用。毎朝検温し、平熱であれば出勤(発熱、せきなどの症状があれば自宅勤務)。
  • 従業員にマスクを支給した上で、常時マスク着用、手のアルコール消毒の義務化。
  • 出社時に健康チェックシートの記入(体温記録、せき、発熱の有無など)を義務化。

来客対応は次のとおり。

  • 来訪者に対し体温検査とマスク着用、手のアルコール消毒を依頼。

イベントは次のとおり。

  • イベントへの参加禁止。
  • イベント開催(主催)の禁止。
  • 30人以上のセミナー参加禁止。
  • 社内での会食などは感染防止の観点から禁止。
  • ゴルフは原則禁止(ただしマスクを着用すればプレー可能)。

なお、生産工場を持つ企業では、在宅勤務は不可能なため、出勤時の検温、マスク着用、手のアルコール消毒の義務化に加えて、公私ともに飲食時の感染防止措置(社員食堂はシフト制にして人数を制限し、前の座席と左右の隣を開けて着席)を講じている。

(藤本和彦、申守智)

(韓国)

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