米国老舗ビールメーカー、モルソン・クアーズがロサンゼルス近郊での生産を中止へ

(米国)

ロサンゼルス発

2020年01月14日

「クアーズ」や「ミラー」で知られる米国老舗ビールメーカーのモルソン・クアーズ・ビバレッジは、ロサンゼルス近郊アーウィンデール工場での生産を2020年9月に中止する旨を1月6日に発表した。米国系同業他社のパブスト・ブリューイングが、1億5,000万ドルで同工場の買収を検討している。

モルソン・クアーズは、全米7工場でビールの生産を行なっており、そのうちの1つを手放すことになる。アーウィンデール工場は470人の従業員を擁し、年間約480万バレルのビールを生産している。同工場での生産は、主にテキサス州の工場に移管される。

地元の報道よると、「モルソン・クアーズのカリフォルニア工場の閉鎖はビール需要の伸び悩みが要因」とみられている。

地ビールブームや新しいビール銘柄との競争が高まる中、同社は2019年に社名を「モルソン・クアーズ・ブリューイング」から「モルソン・クアーズ・ビバレッジ」に変更した。同社は、ビール以外のワインなどのアルコール飲料の取り扱いを始めるなどの対策を取っていた。

なお米国では、大手日系ビールメーカーのアサヒ、キリン、サッポロ銘柄のビールが米国系のスーパーで手軽に購入できるほど浸透している。また、近年ではサントリーが、飲食店向けに日本産プレミアビールを投入。常陸野ネストビール、コエドビール(COEDO)、こしひかり越後ビールといった日本産クラフトビールも、一部店舗で取り扱われている。

(サチエ・ヴァメーレン)

(米国)

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